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パリ&カンヌレポ① by Kazuko Wakayama


カンヌ映画祭、いよいよ開幕しました。




今年のカンヌは75周年め。

わたしが初めて映画祭に参加したのが50周年めなので、わたしにとっても25年目(2020年は開催されなかった)という節目の年です。
四半世紀もの間、この地に毎年来て撮影している、ということになります。

思えば最初はフィルムカメラの時代だったので、36枚撮るごとにフィルムを入れ替えて、一回の赤絨毯が終わるとポケットに大量のフィルムのロールがごろごろ・・・
そしてひとつ撮影が終わるごとに慌てて現像所に走っていました。

そのあとデジタルの時代がやってきて、いままたさらにデジタルのカメラも一眼レフから新しいジェネレーションのミラーレス(フランス語だと「ハイブリッド」です)に替わっている途中です。


去年のカンヌはコロナ禍の影響で7月に開催されたので、1年ぶりではなくて10ヶ月ぶり(!)ですがこの短い間にフランスはなんと元通りの雰囲気になっています!
街ゆく人にはマスクの片鱗もなく、人並み、人混みがあちらこちらで見受けられ、レストランも賑わっています。
カメラマンもジャーナリストも、もうPCR検査もありません。去年、48時間ごとに焦りながら検査に走ったのが嘘のよう・・・

さて、こんな状況のなか晴々しく開催されている映画祭のほうも、
なかなか賑やかです。

オープニングには、名誉パルムドール賞を受賞のフォレスト・ウィテカー、ジュリアン・ムーア。






そして翌日、クロワゼット通りを騒がせてくれたのがトム・クルーズ。カンヌに来るのは30年ぶりとのこと。





コロナの影響で2年延期されたという「トップガン」の続編。
トムクルーズや共演のジェニファー・コネリー、マイルズ・テラーたちがが赤絨毯の階段の上から手をふっているときに、フランス空軍のジェット機がフランスの三色旗の「トリコロールカラー」の煙で曲芸飛行を披露しながら上空を通過。
「トップガン」そのもの〜(!)と、だれしもが大喜びでした。


今回の映画祭は、ロシアとウクライナ情勢に配慮し、マリウポリを撮影中に亡くなった監督の遺した作品の特別上映や、ゼレンスキー氏の演説などかなり政治的なメッセージも発信されてはいるのですが、
夜に花火も豪華に打ち上げられているのを作業中のプレスオフィスの窓から見上げながら
やっぱり映画祭に感動していました。





明日はいよいよ日本の作品『PLAN 75』の上映が控えています。
オフィシャルフォトグラファーとして、準備に駆け回りながら映画祭を楽しんでいます!


Photo by Kazuko Wakayama
Written by Kazuko Wakayama

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