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写真家によるヴェネチア・アートビエンナーレ レポ①


ベネチア・リド島の夜景。

若山、ベネチア映画祭の出張の際に、隣の島で開催中のビエンナーレにも足を運んできました。

2年に一度開催される、アートの展示会です。

運河をまたいで広がるベネチアの全体に、会場が点在していて、本気で回ろうと思ったら3日くらいかかりそうなくらいの数の展示があります。

その中でも、「Gialdini ジャルディーニ」は各国パビリオンがあるほか、中心に大きなパビリオンがありかなりまとまった数の展示が見られます。

今年のテーマは 「Viva Arte Viva 」。
アーティストによる、アーティストのためのアート。

もう過去7回ほど連続して行っているのですが、今回はこのジャルディーニのセントラルパビリオン全体を見たときになにか一つの方向性というか、まとまりのようなものを感じました。

そしてその中にも、伏線のようなテーマを見つけましたのでご紹介いたします。


モスクワ在住のTaus Makhacheva による作品。

まずは右に並べた絵画を左のラックの中に、ロープを渡りながら運んでいくという内容のビデオインスタレーション。

真ん中に人が歩いているのが分かりますか?

巨大スクリーンで見たとき、はっと息をのむほどの迫力がありました。



左右や上下は、過去と未来、伝統と継承、西洋と東洋、などを喩えています。


それから次に気になったのが、この作品です。

アルゼンチン出身のセバスチャン・ディアス・モラレスのビデオ作品。



「Suspension(浮遊)」は、フィクションと現実の狭間をまさに旅している感覚にとらわれるビデオ作品。

フランスの映像で権威のある美術大学、フレノワを卒業したというこのアーティストの作品はとても完成度が高く、すっかり飲み込まれました。

膨大な数ある展示を早足で通りすぎるひとも多い中、大勢の観客が上映を最後まで見届けているのが印象的でした。


こちらもビデオインスタレーション。デンマーク出身のソレン・エングステッド。

このアーティスト、宙に浮いている訳ではありません。

インドの瞑想用のヨガ椅子に座り、飛ぶこと、飛行することについて思考を廻らし話す、というギャラリーパフォーマンスを収録したビデオ。
ただひたすらこのひとが写っているだけなんですが、
でも、この語り口が面白いのなんのって!!


ニューヨーク出身のレイチェル・ローズ。

うさぎと犬と狐が混じったようなハイブリッドな動物が、架空の郊外で夢のような空間を旅するビデオアニメーション「Lake Valley 」。

こちらも、引込まれるものが多分にある作品で、観客は夢見がちになって床に座ったり寝そべったり。

上記の4作品が特に強く心に残った作品ですが、なにか、共通するものがあると思いませんか?

アートを通して、別の次元に行く。

別の世界を覗きみたいというアーティスト自身の純粋な切望がストレートに楽しい試みとしてわたしにも伝わってきました。

*   *   *   *   *

それから、いくつかみたパビリオンの中から、とにかく日本パビリオンをご紹介いたしますね。


岩崎貴宏による、「Turned Upside Down, It’s a Forest/ 逆さにすれば、森」。



日本の伝統芸術の粋を見せてくれる作品。

水面に写る建築物の姿を思わせ、その完璧な調和に見とれました。

その一方、有機物、繊維を積み重ねて建造物を表している作品がその傍らにあり、その対比もなかなか見応えがありました。

津波が押し寄せてすべてが粉々、バラバラになって、形をとどめないものたちで溢れた日本の海岸の姿を思い起こさせる一面もありました。




こちらはフランス館。
中には音楽スタジオを設置。ミュージシャンを招待して、公開録音などを企画していました。

ヴェネチアの現代アートのビエンナーレのレポ。

いかがでしたでしょうか。

まだこれで半分にも満たなくて、またもう一つの会場、「Arsenaleアルセナーレ」のほうはまた次回ご紹介いたしますね。

by 若


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